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RAGとエージェントを統合するAI基盤

4.3
  • ツールの紹介: Difyは、エージェント開発・RAG・ワークフローを統合し、SaaSとセルフホストで運用できるLLMアプリ基盤です。
  • 収集時間: 2025年10月28日
  • 毎日の交通量: 約30万
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ツール情報

Dify(ディファイ)とは?特徴・活用方法・他のエージェント開発AIツールとの比較まで徹底解説

業務効率化や生成AIの実務活用が進む中、Dify(ディファイ)というエージェント/LLMアプリ開発基盤が注目されています。ローコードでワークフローやRAGを設計でき、複数のモデルや外部サービスと連携しやすい点が特徴です。エンジニアだけでなく、業務担当者でもプロトタイプから小規模運用まで取り組みやすい設計になっています。
本記事では、Difyの概要から主な機能、他ツールとの違い、具体的なユースケース、導入時の留意点(費用や運用の考え方)まで、専門的かつ分かりやすく解説します。

Difyとは?

Difyは、LLMアプリ/エージェントの開発・運用を支える統合プラットフォームです。チャットフロー/ワークフロー、RAG、モデル管理、観測(ログ・アノテーション)、API公開までを一体で提供します。ドキュメントの「Introduction」でも、メジャーなLLM対応、RAGエンジン、柔軟なエージェントフレームワーク、ローコードのワークフロー、使いやすいAPI/UIがコア能力として整理されています。

主な特徴と機能
  • エージェント実行(Agent Node)
    チャットフロー/ワークフロー上でエージェントをノードとして配置し、自律的なツール実行やマルチステップ推論を行えます。テンプレートも用意され、素早く試せます。
  • チャットフロー/ワークフロー設計
    チャットは対話型、ワークフローは自動化・バッチ処理などに適し、翻訳・データ分析・メール自動化等に応用できます。IF/ELSEや外部HTTP、コード実行ノードと組み合わせて実装します。
  • RAG(検索拡張生成)
    ナレッジの取り込み・可視化、検索方式の選択、評価・アノテーションといった運用に必要な要素を持ち、プロダクションでの精度改善サイクルを回しやすい設計です。
  • マルチモデル/プロバイダ
    OpenAI、Anthropic、Azure OpenAI、Hugging Face、Replicate、Ollama など多数のプロバイダを標準サポート。拡張のためのプラグイン/プロバイダ追加ガイドも提供されています。
  • 公開・運用
    アプリをREST APIや埋め込みで配布でき、ログやアノテーションで品質を観測できます。クラウドのほか、Docker/Kubernetes、AWS MarketplaceのPremium AMIでVPC内ワンクリック導入も可能です。
Difyの活用方法(ユースケース例)
  • 社内ナレッジQA / RAG:社内文書を取り込み、検索・要約・根拠提示を行うボットを短期間で構築。評価・アノテーションを用いて継続的に精度改善します。
  • 業務エージェント:ツール呼び出しを伴う業務オートメーション(レポート生成、調査、メール応答など)をエージェントノードで組み立て、テンプレートから素早く着手します。
  • 顧客向けチャットボット:チャットフローを基盤に、API/埋め込みでWebアプリへ配布。ログを見ながらプロンプト・フロー調整を反復します。
  • セルフホスト運用:セキュリティやデータレジデンシの要件が厳しい場合はDocker/K8sやAWS Premiumを選び、ブランドカスタマイズやサポート強化を得られます。
料金プラン(2025年10月時点の整理)

クラウド(Dify Cloud)は無料のSandboxと有料のProfessional/Teamがあり、管理画面から購読管理が可能です。公式の価格ページはクレジットやメッセージ枠中心の表記で、月額の目安はG2の直近掲載が参考になります(変動の可能性あり)。教育向けは**Professional同等を無償提供(年次更新)**の制度があります。

プラン比較(要点)

プラン 想定ユーザー 代表的な枠・仕様(例) 月額目安(参考)
Sandbox(無料) 評価・学習 200回程度のOpenAIコールの無料トライアル等(カード不要) 無料
Professional 個人/小規模チーム 例:5,000メッセージ/月、3メンバー、アプリ上限あり(公式UIは枠表記) $59/ワークスペース/月(G2掲載)
Team 部門/中規模以上 例:10,000メッセージ/月、メンバー無制限、アプリ上限拡大 $159/月(G2掲載)※表記は今後変動しうる
Premium(AWS AMI) プライベート導入 VPC内1クリック導入ブランディング優先サポートなど(AMI課金) AWS Marketplace参照(インスタンスタイプ等で変動)

注:上表の「代表的な枠・仕様」は公式UI/ドキュメントの構成G2掲載の例を併記しています。実際の制限や料金は最新の課金画面・プラン詳細をご確認ください。

他のエージェント開発AIとの比較

近年は「LLMアプリ/エージェント」を素早く構築・運用できる基盤が増えています。ここではDifyと、同カテゴリで実務導入の機会が多いn8n/Flowise/LangFlow/Dustを、読者が判断しやすい観点で整理します。

比較の観点
  • 導入形態(SaaS/セルフホスト/マーケットプレイス)
  • モデル対応の柔軟性(複数LLM・埋め込み・リランク等)
  • RAG・ワークフローの実用性(可視化、評価・ログ)
  • 料金の考え方(席課金/ワークスペース課金/実行回数課金 等)
  • エンタープライズ要件(SSO、監査、データレジデンシ)
概要比較表
項目 Dify n8n Flowise LangFlow Dust
提供形態 SaaS/OSSセルフホスト/クラウドマーケットプレイス(例:AWS AMI) OSS/クラウド OSS+クラウド OSS+クラウド SaaS
モデル対応 複数プロバイダを標準対応(OpenAI, Anthropic ほか) OpenAI等のノードで拡張 LLM・ベクタDBを構成で選択 主要LLM・ベクタDB対応 主要LLM(ガバナンス機能を併設)
RAG/ワークフロー 可視化ワークフロー、エージェント、ナレッジ、ログ・アノテーション 汎用自動化が強み、RAGは外部連携前提 視覚的オーケストレーションで軽量に開始 エージェント/MCP等の拡張性 組織内データ連携と権限設計を併せ持つ
料金の考え方 ワークスペース課金(有料:Pro/Team 等)+モデルAPI費 実行回数ベース(クラウド)。OSSは自前コスト 固定額(月額:Starter/Pro 等) OSSは無償(ホスティングや支援は別) 席課金(ユーザー単価)
向く用途 LLMアプリ/エージェントを“標準機能で一通り”整えたい 既存SaaS・APIの業務自動化にLLMを段階導入 低コストで試行・小規模運用 OSS中心で自由に積み上げたい 部門でのSaaS運用+ナレッジ連携

選定のヒント

  • 配備の選択肢を重視する場合、DifyはSaaS/セルフホストに加え [マーケットプレイス(私有環境)]を備えており、セキュリティ要件に合わせやすいです。
  • 価格モデルはツールで大きく異なります。試算は「①ツール利用料(席・ワークスペース・実行)+②モデルAPI課金+③ホスティング/監視」を分けると見通しが立ちます。
  • 用途適合は、LLMアプリを標準機能でまとめたい(Dify/Dust)、業務自動化基盤にLLMを挿す(n8n)、[OSSで自由度を確保(Flowise/LangFlow)]という整理が実務的です。
まとめ

Difyは、LLMアプリやエージェントをノーコード/ローコード中心で構築し、ワークフロー・RAG・公開・監視まで一体的に整えたいチームに適した基盤です。プロトタイプから小規模運用まで移行しやすく、SaaSだけでなくセルフホストやクラウドマーケットプレイスでの導入にも対応します。このツールが特に適しているのは、以下のような方々です。

  • 短期間で検証を始めたい個人/小規模チーム
  • 既存のSaaSや社内ドキュメントを活用したRAG型のFAQ/社内アシスタントを作りたい組織
  • [私有環境(セルフホスト/Marketplace)]での運用やデータ管理を重視する企業
  • コード中心のフレームワークより、まずはGUIベースで設計・配布まで進めたい担当者

実用アドバイス:まずは小規模なフローでログとアノテーションを回し、プロンプト/チャンク分割/リランク設定などの変更は一度に一つに限定して効果を確認すると安定します。費用はツール利用料(席/ワークスペース等)とモデルAPI課金を分けて把握し、要件が固まった段階で私有環境への段階移行を検討すると、運用上のリスクを抑えやすくなります。

よくある質問(FAQ)
Q1: RAGの品質を安定させる方法は?
前処理(分割・正規化)→検索(ベクトル+BM25など)→リランク→評価(アノテーション・ログ)のループを小さく/一度に一変更で回し、差分効果を記録します。
Q2: n8nとDifyの使い分けは?
業務システム連携・通知・定型処理が主ならn8n、LLMアプリ/エージェントの設計~配布を一体で回したいならDifyが向きます。RAGや観測が“箱から”欲しい場合はDifyが検討候補です。
Q3: 本番運用を見据えた導入パスは?
小規模PoCをSaaSで開始し、ログ/アノテーションで失敗パターンを把握→要件が固まったら私有環境(例:クラウドマーケットプレイス版やセルフホスト)へ移行、が安全です。

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